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知っておきたい基本知識


1、使い分けする容器

種から育てる場合は深さ20センチメートルの容器を使用し、苗から育てる場合はすべて30センチメートルの深さの容器を使用してください。

(1)種のまき方と間引き

種をまくときの間隔は10センチメートルを目安にしてください。したがって幅30センチメートルの容器を使うときは二筋になります。引かれた二本の筋にできるだけ均等に種をまき、薄く土をかけて表面を手で軽く押さえます。

ほとんどの種類が2〜3日で発芽します。双葉が出てきたら混んでるところから2〜3センチメートル間隔に一本残すように株を間引きしていきます。

(2)水やり

水やりの基本は間引きの考え方と同じで、大切にしすぎると結果は逆になります。

特にプランターや発泡スチロール箱を使うときは水のやりすぎに注意してください。

作物の葉がしおれかかったら水をやる、または土の表面が乾いたらやる程度にしてください。

夏場は毎朝夕に、春、秋、冬は様子を見てやる程度でかまいません。むしろ水のやりすぎは病気の発生につながりますので注意が必要です。

(3)連作と輪作

同じ作物を毎年作り続けると収量が減ったり、病気が発生しやすくなります。これを連作障害といいますが、土を深く耕したり、土を消毒したり、排水を良くし毒素を流しだすことで傷害を防ぐ必要があります。あるいは病虫害に強い品種を選ぶという方法もあります。

しかし、プランターや発泡スチロールを使った栽培では、簡単に土の入れ替えが可能なので心配はいりません。毎年、土を新しいものにそっくり入れ替えるのがもっとも簡便な方法です。不要になった土は庭にまけばよいでしょう。

このように毎年同じ品種を作り続けると、特定の土の成分が不足したり、病害虫や土壌病原菌が増え、連作障害がおきます。これを防ぐために数種類の作物を順次栽培することで、連作障害を防ぐことができます。具体的にはイネ科の作物の後にマメ科、その後にアブラナ科、ナス科という具合に異なる種類を植えるやり方を輪作といいます。

>> 茂木清一 <<
1948年埼玉県生まれ。埼玉県美里町で農業を営む。元JA技術指導員。
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