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夏だ!ビールだ!枝豆だ!


 というわけで夏を前に、枝豆の栽培に取り掛かることにしました。

 栽培用の枝豆の種はご覧のように大豆です。5月20日に種まきをしました。発芽のばらつきに備えて、オクラのときと同じように黒ポットに3粒ずつ種を播きました。黒ポットのよいところは最も日当たりのよいところに移動できるので、プランターよりも発芽はかなり早いところです。

 植物の育成過程を観察していると、同時に種を播いても微妙に生育の時間にずれが生じていくのがわかります。そのずれは簡単に言えばそれぞれの個体差によるものでしょうが、別な理由もありそうです。それは個を超えた、種全体としての暗黙の合意が一粒一粒の種に宿っているような感んじがします。そろって発芽し、一斉に花が咲かせ、実をつければ、悪天候で全滅する危険性が残ります。今日のような不順な天候の下では共倒れという事態が十分考えられます。そこでそれぞれが数日、生育時期を微妙にずらしていけば全滅は免れます。そんなわけで、たった5つの黒ポットの種も、はっきりと生育に差がでています。


 さて栽培途中のオクラです。移植を嫌うオクラですが、黒ポットからプランターへ移し替えました。途中までは黒ポット育ちの苗の生育が早かったのですが、途中からプランター育ちに追い越されてしまいました。どういうわけでしょう。

 うかつでしたが、プランターのオクラの葉裏に黒いアブラムシが取り付いていました。蟻がプランターの中にうろついていたので、もしやと思い葉を裏返してみると、ほぼ全部の葉についていたので、手で揉みつぶして事なきをえました。アブラムシの繁殖時期は雌雄同体で毎日、クローンで子を増やしていきます。そのスピードは驚くほどです。小まめに 葉をひっくり返して裏を見ることにしましょう。


 同時並行でラディッシュ(二十日大根)を植えましたが、このところの好天続きで成長が一気に早まり、根元が赤くなり、土を押しのけるように赤い根が盛り上がってきました。

 4月14日に種まきしてから、ちょうど40日目の5月24日に収穫できるまで育ちました。赤くて小さなダイコン、愛くるしい葉っぱ。食べるより絵になります。

 でも、食べます。サラダの彩りに和えて、しっかり胃の中に納まってもらいました。

 合掌


>> 茂木清一 <<
1948年埼玉県生まれ。埼玉県美里町で農業を営む。元JA技術指導員。
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枝豆の種、大豆そのものです

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黒ポットの枝豆

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プランターの枝豆

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黒ポットからプランターへ移植したオクラ

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プランター育ちのオクラ

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土を割って赤い顔を出すラディッシュ

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収穫後のラディッシュ