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生産量では中国が一位


 トマトは夏野菜の代表で、露地栽培で結実する6月下旬から8月が本来の旬ですが、促成種や抑制種などの品種改良と、ビニールハウスやガラス室などの施設の発達で、現在ではほとんど周年的に栽培・出荷されるようになりました。トマトは、形状から丸玉系・ファースト系・ミニトマト系に、果実の色から赤系・ピンク系・黄色系に大別できます。世界各国で食されている「赤系トマト」ですが、日本では香りや酸味の強さから生食用としての需要は低く、ジュースや素材缶詰など加工品としての利用が主流です。完熟トマトの品種「桃太郎」に代表される「ピンク系トマト」は、香りが少なく甘味があるので、日本ではサラダなどの生食用に好まれています。また近年では小粒で丸型のミニトマト(プチトマト)が、弁当や惣菜サラダなどへの用途から急激に需要を伸ばしています。

 トマト栽培は、生育に強い太陽の光が必要で、適温は25℃前後、昼夜の温度差が大きいことが条件で、原産地を反映してか雨の少ない地域が最適といわれています。それに適合する産地として、露地栽培で夏は北海道・青森県・福島県などの冷涼な地域、冬は熊本県・愛知県・福岡県・高知県・宮崎県などの温暖な地域で生産・出荷されてきましたが、促成栽培・抑制栽培・ハウス栽培などの発達により都市近郊をはじめ全国各地に栽培が普及していきました。また最近では、オランダや韓国などからの輸入も増えています。

 世界のトマトの生産量を見てみると中国が第1位で、次いでアメリカ合衆国、トルコ、インドと続きます。世界的には日本のような「ピンク系トマト」より、「赤系トマト」が多く栽培されており、加工用としてホールトマト、トマトソース、ケチャップなどの原料として利用されています。

選び方と保存法


 おいしいトマトは、手にとると重みがあります。全体が濃い赤色でムラがなく、皮にハリがあるものは良く日光に当たっていたものです。四角っぽいトマトは中身に空洞があることが多いので、なるべく丸いものを目安にします。ヘタやガクがピンとして、青くみずみずしいものが新鮮で、ヘタの切り口が黒く縮んでいたり黄ばんだものは避けるのが無難です。トマトは常温で置いておくと成熟が進むため、完熟している場合はポリ袋に入れて口を止め冷蔵庫の野菜室に、熟しが足りなければ、常温で保存して完熟してから冷蔵庫に入れます。5℃前後での保存が最適で、冷やしすぎは低温障害を受けやすく逆効果です。

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