もう一度、いちごシーズンに来たくなる!
「道の駅・いちごの里よしみ」の各施設は第三セクターの(有)いちごの里よしみが管理をしている。
食堂、売店、加工施設、体験室が同居している「いちごの里物産館」、新規就農者用の研修所兼観光いちご園の「いちごハウス」、地元の飲食店が出店している「ログヒルズ」、パンを食べながらコーヒーでドライブの疲れを癒す休憩所など、各施設が中央の円形広場をとり囲むように並んでいる。
おなじ敷地内には地元農産物を販売する直売所があるが、こちらはJA埼玉中央の吉見直売所が管轄している。その直売所について武藤所長さんに話をうかがった。
直売所への来場者数は土日で一日平均、1200〜1300名で、いちごシーズンの土日では1日あたり2000名を超えるという。
直売所で扱う商品の70%が町内産で残りは他地域から仕入れて品揃えをしている。
町内産のメイン商品はいちごと加工品で、売り上げの約半分を占めている。
直販所にさまざまな農作物・加工品を納めている農家は全体で219軒。そのうちいちご農家は60軒あまりで3割弱も占めている。町内のいちご農家は160軒ほどなので、その4割弱が直売所でいちごを売っていることになる。
前回もレポートしたようにいちごの季節の土日は9時半の開店前に多くの客がいちご目当てに並び、10時には棚からいちごのパックが消えてしまうほどの人気である。
ここ吉見町の名産、いちごの歴史を同席してくれたいちご農家の方から聞くことができた。昭和30年代からこの地域の養蚕が廃れ、蚕に変わる商品作物としてニンニク、ニラなどを作ってみたがうまくいかず、いちごの苗を菖蒲町から取り寄せ、何軒かの農家が露地栽培を始めたのがきっかけだった。
現在のようなビニールハウスによる促成栽培にたどり着くまでに、幾通りかの栽培方法を試してきた。品種も同様に甘くて大きく、実がしっかりしている現在の栃おとめにたどり着くまでさまざまな品種を栽培してきた。
いちご作りのポイントはよいいちごを実らせる苗をいかにそだてるかにかかっている。
「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」という諺のとおり、よい苗にはよいいちごが実るというわけだ。