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田舎暮らしセミナー

- 山本一典氏 講演内容<6> -


【 田舎不動産の基礎知識 】

 実は田舎というところには不動産屋が存在しない場所なんです。なぜなら、農村とはもともと先祖から土地建物を受け継いだ後継者の集まりなので、業者から土地建物を買う必要がないからです。

 では、誰に頼むのかというと、もともと農家だった人で、地元に不動産の世話をする人がいる、ただしこの人たちは不動産の免許を持っていない。俗に言う不動産ブローカーなんです。

 空家が多いということは、そこが過疎地なわけです。日本の過疎地帯は国土のほぼ半分を占めていて、そこに日本人のわずか6.3%しか住んでいません。その過疎地域ですが、山岳地帯のまわりに多いという傾向があります。そういう山岳地帯のまわりに過疎地域が集中しているんですね。つまり、同じ農村でもただ平野が続いているところではなく、山間に川が流れているような田舎、そういうところで過疎化が進んでいるわけです。じつは、田舎物件の大多数もこういう場所から出てきます。一般的な傾向として山間部に田舎物件が多い、ということを覚えておいてください。

 次に、田舎物件に関係の深い法律知識とお金の話をします。田舎物件でいちばん気をつけなければならないのは、何といっても農地法です。それも農地を農地のまま購入する場合、農地を宅地化などの目的で購入する場合という2つのパターンがあります。前者は農地法第3条で決められているのですが、通常は5反歩以上の農地があること(=1500坪。ただし地域差はあって北海道は2町歩=6000坪以上)、さらにそこに住民票を移して定住することが求められます。

 農地を宅地化する目的で購入する場合の法律を農地法第5条といい、通常は500平方メートル、つまり150坪以下なら認められます。ただし、農地には転用を厳しくするものとそうでないものがある。これは地元の農業委員会で確認するしかないんですが、一般論としていえることは、農振地域、農業を振興するための地域では地目変更が難しく、農振地域以外ではやりやすいという傾向があります。

 ここは重要なのでもう一度繰り返しますが、農業をやるために農地を取得する人は、農振地域であることにそれほど神経質になる必要はありませんが、農地以外の利用目的で農振地域の土地を取得する場合は転用がかなり難しい。しかも、実は農振地域は田畑などの農地だけでなく、地域によっては山林や原野にかけられているケースもあります。この場合は山林でも家が建てられないことになるので、注意が必要です。

 次に都市計画法ですが、都市計画区域外では建築や開発の制限がほとんどありません。ところが、都市計画区域内ではたとえ無指定地域でも、建築基準法を遵守しなければなりません。具体的には幅4メートル以上の道路(しかも行政が認めたもの)に2m以上接していること、建築の際に確認申請をすることが求められます。逆に、都市計画区域外では一部に例外もありますが、こうした接道義務や確認申請の義務がない。この違いは大きいので、しっかりと頭に入れておいてください。


※上記は本人の承諾を得て講演の内容を一部抜粋したものです。