大型台風の影響もなく、順調に育った蕎麦を11月3日〔祝〕に刈り取った。
刈り取りのタイミングは少し遅れ気味だが、裏を返せば早く育ちすぎたほど今年の生育は順調だった。
40メートル超の畝、4畝を子供も入れて16名で刈り取る。これだけの人手だと、1時間ですべて刈り取りを終えることが出来た。
稲刈りに比べればそばの刈り取りは随分楽だ。根は稲ほど深くなく、左手で茎を押さえ、右手で鎌をあてがうだけで根ごと抜けてしまうほどである。
蕎麦の収穫量はお米の20%程度の少なさである。蕎麦は作る手間は比較的楽だが、乾燥から粉にするまでの後処理に手間がかかる。
手間の割に収穫量が少ない国内産蕎麦は輸入に押され、年々自給率を下げてきている。
それだけ国産の蕎麦は貴重になってきた。
刈り取った蕎麦を軽トラに積むが、収穫量は写真のとおり少ない。ビニールハウスに運び込み、斜めに立てて乾燥させる。
「農の家」に戻りいよいよ蕎麦がきつくりだ。
前回、石臼でひいた蕎麦粉80gを約倍の水で溶き、玉にならないようにかき混ぜる。水分を吸った蕎麦が糸を引くように伸びた状態がベストだ。
今回は木べらで粉をのばしたが、すりこぎ棒のほうがよく混ざる。
鍋を中火にかけてかき混ぜていくほどに、蕎麦の水分が急速に蒸発していく。蒸発の度合いに比例して、蕎麦は急激に固まり始め、かき混ぜるへらにかなりな力が加わる。女性や子供では力不足になりそうなくらい、硬くなっていく。相当なスピードと力を入れなければならない。頃合を見はかり、鍋を火からおろし、さらにかき混ぜ続ける。
食べやすい大きさに掬い取り、薬味の柚子皮を摺りおろし、そばつゆをかけて試食してみる。
鼻を近づけると蕎麦の香りがほんのり漂う。あまり柚子をかけすぎると、蕎麦の風味が柚子の負けてしまうくらいだ。
80gの蕎麦粉は蕎麦がきにすると、大人でもそれなりの量として食べることが出来る。
昼食代わりに蕎麦がきを食べて、今日の講習は無事終了した。時計の針は丁度12時をさしていた。
次回はいよいよ蕎麦を打つ。打った蕎麦はめいめい持ち帰ってもらい、家で食べてもらう予定だ。
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