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第2回 種まきから収穫までの蕎麦打ち講習

2009年11月26日 更新

第3回・「蕎麦打ち講習」最終回

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暑い8月の蕎麦の種まきから始まり、刈りとり、乾燥を経て正真正銘の新蕎麦粉を使った蕎麦うちを11月21日に行った。


今年の蕎麦の出来具合は、全国的に良くないという話だ。実をつけ始めた頃に超大型台風が文字通り、日本列島を縦断し蕎麦をなぎ倒しながら通過したためだ。

ただでさえ、国内自給率1割の蕎麦の生産量がさらに落ちてしまうことになる。

貴重な純国産の新蕎麦を使い蕎麦打ちが出来るのはラッキーである。


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つなぎ4割の蕎麦粉500gを使い、いよいよ蕎麦打ち講習が始まった。

蕎麦粉の約半分の水を3回に分け、蕎麦粉に良くなじませていく。そのときの湿度の状態を見極めながら、残り10ccの水をかけまわすかどうかを判断しなければならない。

このあたりの微妙さは饂飩打ちにはないデリケートなところだ。


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水を含んだ蕎麦粉は小さな玉になり、次第にそぼろ状に互いにくっつきあいはじめる。

ころあいを計って、練りの作業に移る。練りのコツは団子状に纏め上げるときに、中に空気が入らないよう練ることだ。


紡錘状に形をまとめ、打ち粉をふりまいた板の上にのせ、はじめは手を使い円形にのばしていく。大きな円形にするには麺棒を使い、時計の針を5分ほどずらしながら、さらにのばしていく。


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さてここからが難しいところだが、円形の蕎麦を1辺が60センチの正方形に形を整える。

円形から楕円、そして四角い座布団のような形に仕上げるのだが、言うは易く行なうは難しい。このあたりをマスターできるまでにはやはり経験が求められる。


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蕎麦を切る段階で正方形になっていないと、切ったそばの長さが不ぞろいになり、歩留まりが悪くなる。プロはそこまで考えなければならないが、素人でしかも今回が初体験では多少変形していても目をつぶろう。


ただ注意しなければならないことは、円形から正方形へとのばしていくときに、慎重かつ神経質になりすぎて時間を食うと、そばの表面が乾燥してしまうことだ。ある程度思い切りが必要になる。このあたりが打つ人の性格がでてくるというから、蕎麦打ちはなかなか奥が深い。


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さて正方形にした蕎麦を畳み、打ち粉をたっぷり表面に振りかけて重たい蕎麦包丁で切り分ける工程に移る。

蕎麦は茹で上げると1,5倍の太さになる。そのあたりを考えながら、切り分けるのだが、利き腕が右の人は包丁を左に傾け、きり幅を調整する。細切り蕎麦の場合は刃の傾ける角度を小さくし、太い蕎麦にしたいときは傾ける角度を大きくすれば良い。


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包丁自身の重さを使い、刃を板に垂直にまっすぐ降ろすのがコツだ。プロの場合、断面が限りなく正方形になるという。湯で上げたときに熱が均等に伝わらないと、おいしい蕎麦に湯であがらないからだ。


いよいよ最後の湯であげる作業である。

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たっぷりのお湯にバラバラと散らすように蕎麦を放り込むと、水温が一瞬低くなる。しかし、しばらくすると、鍋の中央部分の底から蕎麦が盛り上がって表面に出てくる。この瞬間から40秒ですくいあげ、冷水で手早くぬめりを取る。


全員の分が茹で上がり、揃って試食する。はじめのひと箸はそばつゆをつけず、味わってみる。

蕎麦の食べ方で関東人か関西人かが一目でわかる。濃い目の関東のそばつゆの場合、少し蕎麦につゆを絡めて食べるが、関西人は蕎麦猪口に蕎麦を全部入れて食べる。


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ここは関東方式に習い取り上げた蕎麦のほんの先端に蕎麦つゆを絡め、威勢良く一気に蕎麦をすすり上げる。

音を立てて食べるのが蕎麦の正しい食べ方である。時々、スパゲッティのようにもぐもぐ、音も立てずに食べている人を見かけるが、それは野暮って言うものだ。


500gの蕎麦粉をつかうと5〜6人前の量になる。

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自分で打った蕎麦は、そっくりそのまま持ち帰ってもらい、家族、友人に振舞っていただく。自慢げに蕎麦打ちの薀蓄をたれながら、蕎麦を食べている参加者の姿が思い浮かぶ。


第2回の「蕎麦打ち講習」は今回で無事終了しました。また来年を目指して準備します。

ありがとうございました。



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