NPO法人 がんばれ農業人 「新しいくらし」
  • 「概要」へ
  • 「イベント」へ
  • 「申込フォーム」へ
  • 「連載」へ
  • 「情報コーナー」へ
  • 「メルマガ登録」へ
  • 「アーカイブス」へ
  • 「リンク」へ
  • 所沢の"農"情報

    2019年6月19日 更新

    「種子法」の復活をめざして! 第五回(連載企画最終回)
    =全国の自治体で種を守るための動きが広まっている=

    理事 中原幹男

    【第5回】「種子法」の復活をめざして!

                  

    2017年4月、種子法廃止が国会で可決され、2018年4月から廃止となりました。

    これに危機感を抱いた市民や生産者が声を上げ、自治体が意見書を国に出し、

    また種子法に代わる条例を制定する動きが全国で巻き起こっています。


    ■自治体が立ち上がった!


    新潟、兵庫、埼玉の3県は、種子法に代わって県がコメなどの主要作物の安定的な供給の責任を持つ条例を制定しました(2018年4月)。特に埼玉は、自民党県議による議員提案でした。(次項参照)さらに地元所沢市議会からも、衆参両議院、政府に対し2018年12月「主要作物種子法を復活させることの検討を求める意見書」を提出しました。

    2018年4月までに、主に東日本の稲作地域の県議会や市町村議会から政府に対し、タネの安定供給などを求める意見書が60件以上寄せられ、2019年4月現在、地方自治体から提出された意見書は131となっています。野党6党による復活法案も衆議院に提出され審議が開始、継続されています。


    ■「埼玉県主要作物種子条例」を可決 〜2018年5月12日埼玉県議会だよりNo.153〜


    「米、麦、大豆の優良な種子の生産と普及を都道府県に義務付けてきた「主要作物種子法」が本年(2018年)4月に廃止されました。一方、「彩のきずな」などの県産米の競争力の向上をはじめ、主要作物の種子の生産と普及に果たす県の役割は、今なお非常に大きいものがあります。そこで、県が米、麦、大豆の優良な種子の生産および普及を計画的に推進することにより、本県の主要作物の品質の確保および安定的な生産に寄与することを目的とした本条例案が議員提出され、全会一致で可決されました。(施行:平成30年4月1日)」


    ■所沢市議会が意見書を提出! (所沢市議会意見書全文 平成30年12月27日付)


    主要農作物種子法を復活させることの検討を求める意見書


    種子は、国民に優良かつ新鮮な農産物を供給するための根幹であり、その安全性と流通を確保することは、消費者・生活者の健康と生命を維持するにあたって欠かすことができないものです。

    しかしながら、種子の安定供給を果たす上で重要な役割を果たしてきた主要農作物種子法は、平成30年4月1日をもって廃止されてしまいました。その理由について政府は、都道府県の義務を定めること等により、種子開発における民間参入が阻害されるおそれがある旨の説明をしていますが、その明確な根拠は示されておりません。

    また、主要農作物種子法の廃止にあたり参議院で可決された附帯決議では、主要農作物種子法の廃止に伴って都道府県の取り組みが後退することがないよう必要な措置を行う旨が定められていますが、その後に農林水産省より発出された通達においては、都道府県の果たすべき役割を民間事業者の参入が進むまでの時限的なものと位置付けるかのような記述がある等、附帯決議の趣旨は必ずしも徹底されているとは言えません。

    主要農作物種子法が廃止されたことによって、安定的な種子生産体制が損なわれ、種子や農作物価格の高騰や、在来の多様な種資源の国外流等が起こるのではないかと、多くの消費者や農業者はいま不安を抱えています。

    よって、国会及び政府においては、種子の国内自給の確保及び食料安全保障の実現に欠かすことのできない主要農作物種子法について、これを復活させることの検討を求めます。


    以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


    平成30年12月27日

    所沢市議会

    提出先

    衆議院議長

    参議院議長

    内閣総理大臣

    農林水産大臣


    【連載の結びに当たって】

     

    2018年4月から種子法が廃止となり、それに危機感を覚えた地方からタネを守る動きが広まっています。今、どんな状況かは「日本の種子(たね)を守る会」のホームページで知ることができます。私たちのいのちにかかわる問題ですので、続けて注視していきたいと思います。

    一方で、なぜ稲作農家は多国籍企業開発のコメに飛びつくのか、そこには日本の農業政策がコロコロと変わってきた問題があり、難しく深い世界でもあります。


    日本の食糧自給率(カロリー計算)が30%台に落ちて久しいのですが、私たちが食べている野菜は、ほとんど国産です。(タケノコの水煮とか、ニンニクは中国製が多いです) 

    でも、家庭菜園でつくる野菜のために買う市販のタネは、ほぼすべてといっていいくらい海外産です。

    農家で使用されている野菜のタネはどうなっているか、心配ですね。今後はそのあたりも調べてみたいと思います。


    (このシリーズ完)


    =(4回目/全5回)前号へ戻る

    クリックすると画像が拡大されます。

    記事関連の写真

    講演会リーフレット













    >> トコトコ農園 <<
    「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
    ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
    メール:support@ganbare-nougyoujin.org

    このページでは、日本・関東・地元の所沢の農事情について考える連載をしています。(「無農薬野菜」「安全な野菜」「種子法」「週末農業」「体験農業」「有機農法」「土作り」「老後の趣味」)など様々なテーマを取り上げています。