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所沢の"農"情報

2014年8月20日 更新

所沢の“農”事情 第二回

理事 中原幹男

<<<所沢市の農業の概要>>


産出額 日本全国の農業産出額は約8.2兆円(平成23年)です。ピークの昭和59年度11.7兆円から30%減少しています。埼玉県全体では1,967億円で日本全体の2.3%しかありません。所沢市は60億円。日本全体の0.1%。県全体と比べてもわずか3%です。所沢市には広い畑がたくさんあると思われるのに、意外と農業産出額は少ないですね。埼玉県ではどこの市が農業生産が多いのでしょうか。産出額順位(平成18年)は、深谷市356億円、熊谷市107億円、本庄市88億円、川越市79億円、さいたま市78億円、鴻巣市72億円の順番で、所沢市60億円は7番目です。


自給率 では、食料自給率はどうでしょう。私たちの耳に入ってくる食料自給率は、カロリーベースで計算されています。日本の自給率は40%と言われていますが、これはカロリーの高い米(自給率95%)に頼っている状況なのです。TPPでもし安い米がたくさん輸入されると自給率は急激に下がるでしょう。所沢市は米の生産はほとんどなく、カロリーの低い野菜生産が主ですので、自給率は1%未満という状態です。


日本は先進国中自給率が低いことを問題とされていますが、生産額ベースでは70%弱です。この数字はほとんど報道されていません。政府は、結構国産ががんばっているじゃないかと国民が安心してしまうと思っているのでしょうか。マスコミも問題になるような数字の方を取り上げるのが得意です。もちろんこの数字もTPP次第で下がるでしょう。


農業人口 農業就業人口はどう変化しているのでしょうか。まだ農業が盛んな昭和35年ころ、全国の農業人口は1,500万人ほどでしたが、半世紀たった平成22年には5分の1以下の260万人に減り、所沢市でも昭和35年9,000人から平成22年2,100人へと4分の1以下に減っています。


所沢市の総人口は昭和35年には6.6万人でしたが、東京のベッドタウン化が進み、平成7年まではずっと右肩上がりで増え続け、伸びは鈍化したものの平成22年に34万人 となりました。逆に農業人口は総人口に反比例して減り続け、平成22年には所沢市の人口のわずか0.6%となってしまいました。


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記事関連の写真

所沢市の農業者の割合















農地 では所沢市の農地はどのように変化してきたのでしょうか。昭和35年に所沢市全体の面積約7,200haのうちほぼ半分(3,540ha)が農地でしたが、平成20年には約20%(1,540ha)に減少しています。農地の宅地化と商工業化が進んだ結果ですね。


収入 今度はお金の方をみてみましょう。農家は収入的に大変だということは皆さんご存知と思います。所沢の実態はどうでしょうか。耕地を所有している農家は所沢市全体で1,750戸ほどですが、そのうち作物をほとんど販売していない自給農家は650戸、専業農家が420戸、兼業農家が残り680戸です。家族のうち勤めに出ている人がいたり、不動産の賃貸収入で総所得を補っているのが実情です。


また、所有面積は、2ha(約2町)以上の農家は15%。2ha未満が85%も占めていて、細切れな農地所有となっています。これでは農業収入が低いのも道理といえるでしょう。


 ちなみに所沢市の農業平均収入がいくらくらいかというと、農家1戸あたり生産額で年間約550万円、農業者1人あたり年間約209万円(平成23年)となっています。


この額からもろもろの費用を引いた残りが所得ですから、実入りは推して知るべしですね。農業だけで食べていくのは厳しいのです。


 次回は、所沢市の農業の課題をもっと浮き彫りにして皆さんにも考えていただきます。




>> トコトコ農園 <<
「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
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メール:support@ganbare-nougyoujin.org