• 「概要」へ
  • 「イベント」へ
  • 「申込フォーム」へ
  • 「連載」へ
  • 「情報コーナー」へ
  • 「メルマガ登録」へ
  • 「アーカイブス」へ
  • 「リンク」へ

所沢の"農"情報

2015年1月20日 更新

所沢の“農”事情 第2部 第三回

理事 中原幹男

<<<所沢での新しい取り組み(2013年)>>


私たちが活動を始めた4月以降に所沢で新しい取り組みがスタートしましたので紹介します。

<ところ産食プロジェクト> この事業の発端は商業者から「地元の新鮮野菜を使いたいが手に入らないか」との相談が商工会議所に寄せられたことでした。昔は仲卸という需要家に代わって卸売市場や農家を回り、買い付けをする業者がいましたが今はいません。商工会議所でその代わりをしてくれる事業者を探していました。そのころ、海orotは地元農家から野菜を預かり、直売をする事業を始めていました。野菜を売りたい農家の情報を持っている海orot、地元野菜を使いたい商業者の情報を集約できる商工会議所、商業者の3者が中心となって、本年6月に「ところ産食プロジェクト」が立ち上げられました。その結果、地元商業者が地元の野菜が使えるようになっただけでなく、商農連携の新しい動きが始まっています。これは、全国でもあまり例のない所沢独自の事業といえます。


クリックすると拡大されます。

記事関連の写真

地元野菜流通の試み −ところ産食プロジェクト−














<所沢市シルバー人材センターの新たな試み> 所沢市シルバー人材センターは、高齢者に短期的、臨時の仕事を提供する公益法人です。今回、農業委員会の認可を受けて遊休農地1.7反を借り、本年5月に農業経営に進出しました。会員による農作業で有機・減農薬野菜を栽培、販売しており、5年後には、市内数カ所で5反まで拡大する計画です。現在の農地には井戸がなく水の確保が大変なようです。

この事業も埼玉県では初めてのユニークな試みです。シルバー農園が前例となり他のNPOや市民グループが農業に参入する途が開かれることを期待します。


クリックすると拡大されます。

記事関連の写真

農業経営に進出 −シルバー人材センター−














<東京農工大学・所沢市官学連携基本協定> 東京農工大学と所沢市は、本年7月に所沢市の農業振興及び環境に配慮したまちづくりに関連する領域についての包括連携協定を締結しました。この協定を通じて、地域農業のために働く人材の育成と、地域社会の発展への寄与が期待されます。


クリックすると拡大されます。

記事関連の写真

大学との連携 −東京農工大学・所沢市官学連携基本協定−














<グループのまとめと提言>

持続的農業経営には、環境に負荷をかけない、後継者がいるなど、多義的な意味があります。所沢は歴史的にも地域特性からも、有機減農薬または無農薬農法など環境保全型農業に向いている土地柄で、所沢産農産物をアピールする切り札とも言えます。一方で、有機減または無農薬農法は人手がかかり、収量や歩留まりも劣ります。したがって、地域住民がサポーターとなり、援農や消費に協力することが持続的農業経営のカギと考えます。

ところ産食プロジェクトや航空公園内のファーマーズ・カフェのように、地元野菜をプロの手でおいしく提供する店が現れています。これらの店が成功するかどうかは、サイフを握る消費者の行動にかかっています。私たちは早いことや安いことを評価するライフスタイルを見直し、食事をゆっくりと楽しみ、美味しい食べ物には相応の対価を払う消費者になりたいと思います。そのような消費者が、地域の農業や商業を支えると考えています。

安定的農業経営という面から水を欠かすことができません。深井戸への初期投資の難しい、新規就農者やNPOには深刻な問題です。現在深井戸を持っている農家および行政により水を融通しあう灌漑組合を展開することを期待します。

現在、所沢市には全耕地の12%にあたる182町歩の耕作放棄地があります。国では、集約化が可能で採算が取れそうな農地の集約化を、政策として進めています。集約も採算も困難な比較的小規模な農地をどのようにするかが問題です。これらの農地は、自治体が市民参加のNPO、農業ボランティアなどの手を借り、地域特性やニーズにあった活用・保全を進めることが大切と考えます。

そのような活用例として、今までに見てきた、障がい者就業支援のゆうき福祉会、高齢者に就業機会を提供するシルバー農園、体験型農業の海orot、トコトコ農園、など様々な活用例があります。これからも遊休農地は、地域のニーズに応じた様々な活用が見込まれます。また、そのための法律もありますが、行政、農業団体の支援がなければ実現しません。所沢の住民として、地主が土地を貸しても大丈夫という信用される受け皿を作って、農地の活用と保全を行っていくことが大切と考えます。

また、市街化区域内の生産緑地は、公害や災害の防止、良好な生活環境に効用があるとして残された農地ですが、耕作者の不在などで転用され乱開発の恐れがあります。それらの農地も、都市住民が参画して有効利用することで保全していくことが可能と考えられます。市が一括して借り上げ住民グループで管理する公設民営農園、地主と近隣住民が協定して援農する体験農園など、生産緑地の保全を行政に進めていただきたいと思います。


クリックすると拡大されます。

記事関連の写真

市民大学20期農業グループのまとめと提言@

記事関連の写真

市民大学20期農業グループのまとめと提言A

記事関連の写真

市民大学20期農業グループのまとめと提言B

記事関連の写真

活用事例のまとめ















>> トコトコ農園 <<
「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
メール:support@ganbare-nougyoujin.org