今年の日本列島は8月の猛暑が9月になっても衰える気配もなく、連日うんざりするほど暑い日が続いた。おかげで秋冬野菜の種まき、苗つくりのタイミングにひどく悩まされた。
9月の中旬までの2週間は連日最高気温30度を超える日々が続いた。しかし中旬から下旬までの2週間は最低気温が20度を下回り、まとまった雨が降る日も数日あった。ところが途中猛暑のぶり返しを思わせるような最高気温30度を越す日も数日続き、何がなんだかさっぱりわからない9月だった。
ダイコン、ブロッコリー、ハクサイ、キャベツ、コマツナ、コカブ、秋どりキュウリなど作業の遅れを気にしながら9月10日前後に種まきと、育てておいた苗を移植したが、ほとんどすべてが満足に生育しない。
寒暖の差が大きすぎること、数日の雨もときおり雷を伴う集中豪雨型の雨で播いた種が流されたり、苗が激しい雨でとろけてしまったり、ネット掛けしなかったために芯食い虫にダイコンがやられたりと、散々だった。
鍋のシーズンを迎えても、定番具材のダイコン、ハクサイがなくては話にならない。
ところが幸いというべきか10月にはいっても昨年の9月の平均気温と大差がないため、やり直しが出来るかもしれないという希望的観測で、ほぼ1ヵ月後の10月16日にダイコン、ハクサイ、キャベツ、コマツナの種を再度まいた。所沢のこのあたりは例年10月10日前後が遅霜に注意するころだが、今年は最低気温が17度近くもあった。
種まきから3日後の今日19日の生育状況をチェックすると、順調に芽をだしているのが確認できた。
これから10月末までの約2週間、集中豪雨型の雨も降らず、平均気温も昨年の9月なみであればなんとか最悪の事態は避けられそうだ。
そしてこのまま季節がちょうど1ヶ月まるまるずれるように推移していけば秋冬野菜はなんとか格好がつくかもしれない。
もしこの理屈が現実になれば来年の3月が例年の2月の気候になり、桜の開花は4月末になる。入学式は底冷えのする体育館でおこなわなければならず、新1年生には気の毒な春となる。気象観測史上記録的な猛暑となった今夏だが、これから先も何が起きるか全く予想がつかない。気象庁の長期予報も残念ながらあてになりそうもない。
作物の生育には気温の影響が大きく作用する。気温と地温にはほとんど差がなく、今夏の35度を超える猛暑の日は地温も35度近くになる。これでは種も発芽せず、根の伸張にも悪い影響を及ぼす。
さらに作物に悪い影響を及ぼすと考えられるのは昨今の雨の降り方である。
亜熱帯を思わせるような強い雨が短時間に集中して降る。叩きつけるような強い雨は柔らかい畑の土を硬くしてしまう。一般に作物にとって地中の6割近くを水と空気が占めている状態がベストとされている。
トラクターですき込んだ直後の畑の土は布団のようにふわふわしている。しかし短時間で激しい雨にあうと、空気をためていた空間は水が運んできた土でふさがれ、いっぺんに硬くしまる。
土の表面にはクレーターのようなひび割れが残され、地中の種や根は空気を吸うことが出来ず、固い土に阻まれて根の伸張が妨げられる。
このように気温も重要だが、作物は雨量や雨の降り方にも大きな影響を受ける。
人の体調と同じで、作物も急激な変化は苦手だ。
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