7月もすぎて畑は夏野菜のピークを迎えようとしています。
8月のお盆前後には夏野菜の後片付けと同時並行的に秋冬菜野菜の種まき、育苗作業が始まります。
今年は作付け面積の拡大(2反・600坪の畑の増加)と11名の新入会員が加わり、総ての種類の作物を昨年比2倍以上作ることにしました。冷静に見て少し作りすぎと思われたものもありましたが、あまりすぎて会員から不満が出るというわけでもないので、これでよしと判断しました。
ここまでの春野菜、夏野菜の出来具合を振り返り、良かったところ、まずかったところなど気づいた点を洗い出してみました。
まず昨年から種まきして準備をしてきたスナップエンドウ、キヌサヤ、ソラマメの豆類ですが、スナップエンドウは昨年末から年始にかけて極端な乾燥状況が続き、生育途中で立ち枯れしてしまいました。豆類は寒さ、乾燥に強いという思い込みが強すぎて、適度な潅水を怠ってしまったことが失敗を招きました。しかしスナップエンドウ同様、トンネル架けをしなかった絹さやでしたが例年通りの収獲が出来ました。キヌサヤはスナップエンドウより寒さと乾燥に強いということがわかりました。
ソラマメは昨年に引き続きトンネルを架け、開花、結実のタイミングでボカシ肥を施しました。そこそこの収穫量でしたが、アブラムシ被害は相変わらずです。今年初めてミカンの皮を株元に散布しましたが、効果は思ったほどではありませんでした。
スナップエンドウの失敗の穴埋めとして4月になって急遽、予定になかったツルなしインゲンとモロッコインゲンを作ってみましたが、特にインゲンは作りやすく、相当量の収獲ができました。
まだ厳しい寒さが残る2月中旬すぎにマルチを施し、コーティングしたニンジンの種を3畝播きました。
発芽率はきわめて高く種まきから110日目に甘くて立派なニンジンが収獲できました。大量の葉は所沢市内のポニーの餌として、馬糞と交換で有効活用することが出来ました。
3月になって早々、新入会員の初作業としてジャガイモ(キタアカリ)を30kg、春大根を4畝作りました。
春大根はかなり出来がよく、大きさ、収穫量そして味と、3拍子が揃って大成功でした。
写真のように会員のお孫さんと見比べてもその大きさは半端ではありません。
ダイコン同様、出来がよかったのがジャガイモです。
昨年は遅霜に新芽がやられ、その後回復はしたものの出来そのものはけして満足いくものではありませんでした。しかし今年は幸いに遅霜もなく、トウモロコシの後作だったこともあり、肌もきれいなジャガイモが大量に収穫することができました。
前期の収穫祭では掘りたての新ジャガを茹でて試食しましたが、味も抜群です。
収獲を3回に分けたので一人当たりの配分量は正確に把握していませんが、軽く10kg以上になりました。
3月末から1週間ごとに間隔をずらしてトウモロコシを8畝作りました。
早めにトウモロコシの種を播き始めたのは、アワノメイガが発生する前に大半の収獲を済ませるためです。またアワノメイガ対策として雄花が花粉を散らすころ、強制的に手でゆすり花粉を散らしてしまい、直後に雄花を切り取ってしまいました。
このためアワノメイガ被害はほとんど受けずにすみました。しかし、今年は鳥害対策用のネット張りを怠ったため、何本かが無残に食い散らかしされてしまいました。
やはり鳥はあなどってはいけません。
4月にはいるとエダマメ、先のツルナシインゲン、モロッコインゲン、そしてコマツナ、コカブの種まき、5月に定植するトマト、キュウリ、スイカ、カボチャ、リーフレタスなどの育苗作業を集中して行いました。手作りの育苗小屋が完成したのが忘れもしません、3月11日の午前中でした。小屋つくりを終えて帰宅してまもなく、あの忌まわしい激震に襲われたのです。また福島原発事故と計画停電の経験はいまから思うと、政府の無能力の露呈、東京電力の危機管理能力の欠如などを思い知らされることになる前兆でした。
これから何年たってもあの日の出来事を小屋つくりとともにきっと思い出すことになりそうです。
その育苗小屋で育てた苗は5月の連休明け早々に定植しました。また苗業者から購入したナス、ピーマン、サツマイモの苗の定植、サトイモの植え付け作業が毎週並行的に行われました。
しかし連休明けに次々と定植した苗は、その後3週間もしないうちに観測史上最も早い入梅に遭遇し、キュウリの葉は病気にやられ、トマトは雨で表皮が割られ、スイカは十分な日射量が得られず早すぎる雨の影響を被りました。しかし、肥料食いのナスは2週間間隔で鶏糞を追肥として与えたところ、いまのところコンスタントに収獲が続いています。大きさ、柔らかさ、ともに十分な結果が得られました。
梅雨の影響を受けなかった作物もありました。それはもっともコンスタントに収量が安定して会員を喜ばせたのがリーフレタスでした。
約1ヶ月半近く、収獲が続き貴重な葉もの野菜として珍重されました。
最後に最も反省すべきことはエダマメです。初年度に作った落花生の跡地に一部かかるようにエダマメをまいて、一部を除きほとんど発芽しなかったことです。連作障害とみなし、場所を変えて急遽種まきをやり直しました。この原稿を書いている時点ではまだエダマメの収獲が始まっていません。
連作障害対策用の作付け図の不備でした。作物は正直です。人間の怠慢をピシッと指摘してくれました。
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