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トコトコ農園通信

2012年6月5日 更新

新しい試み


いい作物を作ろうとすればそれなりの愛情と手間を子育てのようにかけなければなりません。

現在、トコトコ農園の会員は30名、年間の栽培種類は30数種類、畑の広さがおおよそ4500平米です。手間をかけたいのはやまですが、畑の広さとそれを耕す頭数がアンバランスな状況です。そこで今年はない知恵を絞り新しい栽培法をいくつか試してみることにしました。


広さについてはたいがいの人はピンとこないようなので、東京ドームの10分の1程度の広さです、と説明します。しかしそれでも普通の人にはピンとこないので、実際に畑を案内すると「オー」とか「へー」とか感嘆の声を上げます。

野菜つくりの経験者は「オー」とか「へー」のすぐ直後に「こりゃ大変ですね」と続きます。

何が大変なのかといえば人力での土の耕し、炎天下での雑草取り、夏のキュウリに代表されるように収獲に追いまくられることなど、相当な労力がかかるであろうことを想像して「大変」という言葉が出るのです。

特にこれから夏を迎えると作業は暑さとの戦いです。

夏などはプロの農家は日が昇ると同時に畑に出て、朝飯前に作業をやり終え、日中は昼寝をして体を安め、日差しが落ちてくる夕方にまた遣り残した作業をしています。


趣味の延長である「トコトコ農園」ではプロの農家のような作業ローテーションは無理なので、今年から週1回の作業時間を30分繰り上げ、作業延長するのが精一杯です。昨年に比べて作業時間を30分増やしたのは作業が遅れがちになってしまったからです。それでもこの春は土曜の作業日が連続して5週雨にたたられ、火曜の作業にしわ寄せが来てしまいました。自然の気まぐれには30分延長程度の小細工は通用しません。


またプロの農家では大半の作業が機械化されていますが、「トコトコ農園」では畝つくりに小型コンバインを使う程度で、あとは総て人力です。

マルチ敷き、種まき、土寄せ、収獲、雑草取り、総て鍬1本、機械も農薬にも頼らず体力勝負の作業ばかりです。

そこで今年は作業の簡略化により効率よく時間を使い、作業遅れを防ぐことを目標に掲げました。

これまでほとんど例外なしに保温と保湿、雑草押さえのためにマルチを使用していましたが、トマトのように少ない水分で育つものはマルチを使用しないことにしました。

トマトは植え方も工夫して斜め植えという方法を初めて試してみました。

これは茎の部分まで植えることでその分、根を広い範囲で張らせる方法です。斜め植えをさらに極端にしたのが寝かせ植えで茎の大部分を土のなかに埋めてしまうやり方です。

根を広範囲に張らせることで少ない水分を吸収させることで、トマトの持つ生命力を引き出す方法といわれています。糖度も高く、長期間にわたって収獲できるといわれています。


またネギは成長に応じて定期的に土寄せの作業をしなければなりません。

ネギの白い部分を長くとるためには成長に応じて土をかけ日光を遮るのです。

農家は土寄せ専用の機械を使い、ちょうど大雪を左右に掻き分ける除雪車の原理で、畝と畝の間の土を左右に掻き分けます。この作業を鍬1本で掻き分けていくのはかなりの体力と時間がかかります。

そこで、ネギの苗を移植するときに約20センチくらいの高い畝を作り、畝全体を黒の無欠マルチですっぽり覆ってしまい、棒のようなものでマルチを突き刺し、畝の底20センチの深さまで棒を差し込みます。あいた20センチの深さの穴にネギの苗を1本づつ放り込みます。

こうすると土寄せもせずに20センチの長さの白い茎が育つというわけです。


また葉もの類はこれまでマルチをしたあとでビニールのトンネルを必ず架けていましたが、極力トンネルを架けないようにしてみました。トンネルを使用しないと多少生育時間がかかりますが、それを我慢すれば大きな問題は起きません。


今年の前半期(1月〜6月)は春先の低温でトマト、キュウリ、ピーマンなどの苗作りが遅れてしまいましたが、全体的にはほぼ栽培計画通りに作業を進めることが出来ました。


クリックすると拡大されます。

記事関連の写真

斜め植えしたトマト

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同上

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20センチ高の畝をマルチで覆い、穴を開けて苗を放り込む

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土寄せ不要のネギの畝

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都合3畝植えてみた



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「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
メール:koji@ganbare-nougyoujin.org
ブログ:畑にそよぐ風(http://nougyoujin.blog.so-net.ne.jp/