関東地方は6月9日(土)に梅雨入が宣言された。
関東地方の平年の梅雨入が6月8日、梅雨明けが7月20日である。
平年と比較すれば、一昨年の2010年は入梅が6月13日、梅雨明けが7月17日と短い入梅期間だった。昨年の2011年は5月27日で観測史上2番目に早い梅雨入りだった。
私が子供の頃は6月初旬に梅雨入して夏休みにあわせるかのように7月20日前後に梅雨が明けた。いわゆる平年並みの梅雨がわりと規則的に繰り返されていたような記憶がある。
しかし、地球温暖化の影響からか、近年気象異常が続き特にこの3年間は梅雨入も梅雨明けもてんでんバラバラである。雨の降り方も霧雨のような雨が終日降り続いていたような印象が残っているが、ここ何年かはスコールを連想させるような激しい雨が短時間降るパターンが増えてきたように感じる。緯度が確実に北へのぼってきたようだ。
昨年5月に入梅宣言が出たのには驚き、困ったことを思い出す。
それは昨年はじめて小麦を作り、あまりにも早い雨に小麦の生育に悪影響がでるのではと、気をもんだことだ。何せ初めてのことで刈り入れのタイミングがわからなく、戸惑ってしまった。しかし隣接する狭山市に専業の小麦農家があることを知り、見学を兼ねて訪ね、いろいろ教えてもらうことが出来た。
おかげで、刈り入れのタイミングも間違わず、最終的にはいい小麦粉が出来た。その小麦粉を使ってうどん打ち教室も行い、参加者には大変よろこんでもらった。
小麦の刈り入れは6月下旬の梅雨の晴れ間を狙って、一気に刈り取り、脱穀して天日干しをする。
刈り入れ作業そのものは栽培面積にもよるが、米に比べてもたいした時間もかからず楽なものだ。しかし、次の脱穀作業は機械がないと悲惨だ。昨年は梅雨の晴れ間の炎天下でむしろならぬブルーシートを広げ、その上で原始的に小麦の実を棒で叩き落した。暑さと疲労で頭がくらくらしたことを思い出す。
会員もかなりこたえたらしく、小麦をまた来年作るとしても脱穀機をどこかで手に入れることを強く要望された。近隣の農家にそれとなくあたったが、脱穀機を持っているところはなかった。範囲を市内全域に広げ、行政にも相談して探してもらったがみつかったのがたった1軒の農家だった。
そんな折、脱穀機探しの難しさをたまたま飲み会の席で大学の友人の一人に話をしたら、実家の蔵に保存しているかもしれない、もし使えるようであれば譲ってもよいという。
渡りに舟とはこういうもので、6月初旬に譲り受けに訪れた。
友人の実家は都下昭島市で所沢からはほぼ真西に位置し、車で1時間弱の距離である。
ちょうど田植えの時期にぶつかり、ついでに田植え体験もお願いした。会員に参加を募り大人5人と子供2人で、小雨交じりのなか昭島に向かった。
昭島に向かう時点で霧雨のような細かい雨が降っていたが、参加者には事前に小雨程度なら決行する旨を伝えておいた。軽トラと乗用車に分乗して市街地の中にぽつんと残った水田に車を横づけして早速はだしで田んぼに入る。
植えたのは緑餅用の苗である。機械植えの一角をわざわざ残してもらい、そこに手植えで苗を等間隔においていく。田の泥に慣れるまで少し時間がかかるが、それをすぎるとかなりなスピードで作業ははかどりだす。
終わりかけの頃、雨脚がかなり強くなったので用意してきた昼食もとらず、軽トラに譲り受けた脱穀機を積み込み、早々に退散した。
帰り際、昨年の緑餅の玄米を2袋土産にもらってきた。脱穀機を譲ってもらい、無理を言って田植え体験をさせてもらい、そのうえにもち米までいただき恐縮してしまった。
この秋から暮れにかけて、小麦でうどんを作り、もらったもち米で餅つき大会を企画している。もつべきものははやり友である。
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