昨年に引き続き収獲した小麦(農林61号)を8月末に製粉し、その小麦粉で9月15日に会員18名が参加してうどん打ちを行った。
種を播いた農林61号は古くからうどんに適した粉(中力粉)として日本では最もポピュラーな品種だ。
昨年、トコトコ農園として初めて小麦の栽培に取り組み、今年は昨年の2倍の種2kgを播いて最終的に50kgほどの小麦粉が獲れた。
正真正銘の地粉は市販の精製された小麦粉より気持ち黄味がかった色をしている。
純白でないところがまた地粉らしい味わいがある。
取れた小麦粉の使い道は会員に一人500g単位で配分し、一部は会員Tさんを通してプロのパン屋さんに食パンと菓子パンに加工してもらった。
本来中力粉はパンつくりには向いていないが、プロの手にかかるとうまいパンに仕上がった。作ってもらった食パンと菓子パンは会員に原価で買ってもらったが、なかなかの味で評判も上々だった。
そして、うどん打ちは近くの公民館の真新しい調理室を借り切り、大人18名、子供3名が参加して行われた。6台の調理台に3名づつのグループに分かれ、400gの粉に20gの塩を180gの水に溶かした塩水を適宜注ぎながら、粉をそぼろ状にして粘りが出るまでボールのなかでこね回す。
ある程度粘りが出たところで、次は丈夫なビニール袋に移し替え、約30分ほどのし板状になるまで足裏で踏み続ける。
この過程で十分踏みこまないと腰の弱いうどんになってしまう。日本の対外外交姿勢のような弱腰ではうどんのうまさを引き出せない。
十分踏み込まれた板状のうどんを取り出し、そばと同じようにこねながら中の空気を追い出すように最終的には紡錘形に仕上げ、20分ほどなじませるために寝かせておく。
次は麺棒を使い、紡錘形のうどん粉を打ち粉を振りながらのばしていく。腰の強いうどん粉は伸ばすそばから縮んで行こうとする。
そうはさせじと手早く方向を変えながらどんどん薄くしていく。これはかなりの腕力が必要になる。翌日、二の腕が筋肉痛になったくらいだ。
3枚に折りたたんでまな板に載るくらいの大きさに引き伸ばせば、後は包丁でお好みの太さに切っていく。太さはそれぞれの好みで自由だが、最初から太めに切ると腰の強いうどんは茹でてもかなりの堅さになる。したがって出来るだけ細いほうが食べやすい。茹でると1,5倍くらいの太さになるので細めのほうがちょうど良い。また太すぎると湯で時間が余分にかかってしまう。
うどんの色はややそばに近い色をしている。堅さと太さにもよるが目安としては茹で上がるのに約15分くらいみておいたほうがよい。そして湯は出来るだけたっぷりにするほうがうまいうどんに仕上がる。
小麦粉を足で踏みながら、出汁つくりをした。ネギやナス、ぶた肉を切りながらの足踏みは注意しないと指を切りそうになる。体の上下動にあわせリズミカルに材料を切る。前もって鰹だしをとって準備をしていたので、材料を切り醤油、味醂で味を調えるだけなのでそれほど手間はかからない。
出汁は昨年好評だった武蔵野うどん用の出汁にした。醤油ベースのやや濃い目の味付けが特徴だ。ただ味が濃いからといって、鰹出汁をしっかりとらないと味にコクが出ず、ただただ塩辛いだけになってしまうので注意する。
1時から始まり3時過ぎには全員が自分で打ったうどんを味わい、残りは自宅に持ち帰った。参加者の約半数は昨年の経験者だが、残りの半数も何とかみようみまねでそれなりのうどんに仕上がったようだ。
多少、太さが不ぞろいで、不恰好でも自分で種まきから収獲、脱穀までを手がけたとなると、味もまた格別に感じる。農園ライフを存分に満喫できる瞬間だ。
梅雨晴れの中の炎天下での収獲作業と脱穀作業のつらさも終わってみればいい思い出になる。これが農業の醍醐味でもある。
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