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トコトコ農園通信

2012年10月5日 更新

台風一過


戦後最大といわれた伊勢湾台風が紀伊半島から東海地方を中心に日本列島を縦断するように駆け抜け、死者・行方不明者5千人を超えた。今から53年前(1959年9月)、当時私は11歳、東京江東区の実家は名だたるゼロメートル地帯の只中にあり、あっという間に床上浸水の被害にあった。すぐ裏が小学校だったので家族は新築3階建ての校舎に避難してことなきを得た。ただ、飼っていた猫が気狂したように縁の下にもぐりこみそのまま溺死してしまった。

今回の台風17号は発生時期、進行速度・ルート、大きさがその伊勢湾台風に匹敵、酷似していた。関東地方は夜半から猛烈な風が吹き荒れ、我が家の雨戸が不気味にカタカタなり続けていた。しかし雨は風ほどひどくはなかった。

今年は8月から9月にかけて降雨量ゼロの日が続き、畑の3つある雨水槽は限界近くに干上がり、台風は恰好の水不足解消とのんきに考えながら寝入っていた。

雨風は一晩中続いたわけではなく、ふと気づくと外は静かだったので相当なスピードで駆け抜けて行ったようだ。


台風一過の畑は無残だった。

まず目に付いたのが畑の入り口付近にある栗の老木がバキバキと太い枝がへし折られ、あたり一帯に散乱していた。もしや物置小屋も吹き飛ばされたかと、一瞬いやな光景が頭に浮かんだ。

しかし、遠めに見えた小屋の外観は何の変化もなく、胸をなでおろしたが、近づくにつれてなにやらパーゴラのあたりがやけに雑然としている。日陰用にとパーゴラの上に乗せていたよしずが見事にバラバラに解体され、跡形もない。よしずの上から覆っていた雨除けようのブルーシートもまたびりびりに破け、パーゴラに這わせるように植えていたゴーヤのグリーンカーテンは半分くらい引きちぎられている。


またほとんどの秋野菜用のマルチが根こそぎ吹き飛ばされ、何枚かは見回してもどこにも見当たらない。おそらく空に舞い上げられ隣接する林にでも絡まっているのだろうか。

ネギの葉の部分が折れたり、なかには風で引きちぎれたりしている。強風が荒れ狂った様子が容易に想像できる。

テレビ報道では大の大人が強風をまともに正面から受け、一歩も足を踏み出さないでいる。若い女性は立ってもいられず、歩道にへたり込んで吹き飛ばされないようにしていた。小さな子供が横殴りの風で歩道から車道へ押し出され、両親があわてて子の腕をつかんでいる様子も映し出されていた。

考えようによって大型の貨物トラックを横転させるほどの記録的な強風でも小さな苗や葉もの類が根っこごと吹き飛ばされもせず、何事もなかったように畑の土に根付いているのは見事としか言いようがない。


しかし、10月になってもまだ台風が発生し、日本列島に近づいてくるのは異常気象のなせる業だ。また寒い夏と暖かい冬、気候の変動が極端から極端に振れるのも異常気象の特色だ。

自然の恩恵に委ねる野菜作りには年々なんとも難しい条件を突きつけられる昨今である。


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よしずがバラバラになって屋根から落ちてきた。

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片側半分がそぎ取られたように吹き飛ばされたゴーヤ

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強風に葉の部分がなぎ倒されたネギ。

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引きちぎられたネギの葉が散乱していた。

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はがされたマルチ。



>> トコトコ農園 <<
「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
メール:koji@ganbare-nougyoujin.org
ブログ:畑にそよぐ風(http://nougyoujin.blog.so-net.ne.jp/