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トコトコ農園通信

2013年12月5日 更新

雨水槽の作り直し


「トコトコ農園」の農業用水源はもっぱら手作りの貯水槽に溜めた雨水に頼っている。

コンパネで木枠を作り、木枠の内側に厚手のブルーシートを敷き詰めた手作りの水槽に小屋の屋根に降った雨を雨どいで誘導するやり方である。

大きさと完成した時期はバラバラだがこうした雨水槽は3つ作ってあった。しかし5年前に最初に作った雨水槽はブルーシートから水漏れを起こし、木枠も腐りかけたので今年に入って取り壊した。


3年前に作った2番目の水槽は容量を最初の水槽の2倍にした。ただし表面積は同じにして深さを2倍にした。地面を約1メートル掘りさげ、そのなかに埋めたので地上部分の大きさは1番目と変わらない。地下に地上部と同じ容量の水槽があるというイメージである。


しかしこの2番目の水槽は5年もたなかった。理由は容量の大きさにあわせ木枠とブルーシートの強度を2倍にしなかったためだ。梅雨の最も降雨量の多いときには地上部分の木枠の側板が水圧で馬の腹のようにはちきれそうにパンパンになった。

側板は幸いにも壊れはしなかったが、ブルーシートを2枚重ねしてもシートの張り合わせ部分が水圧でもたなかったのだろう。

ある日突然、日に日に水位が下がってきた。そして水位が下がるスピードが日ごとに速くなってきたのはシートの張り合わせ部分のずれが大きくなってきたのだろう。


最終的に水位は半分以下に下がったので、あまり寒さが強くならないうちに同じ場所に作り直すことに決めた。

取り壊しの最初の作業はまず水をくみ出すことである。1番目の水槽の取り壊しのときは、バケツでくみ出し、疲れると次の人にバトンタッチをして、かなりな時間を要した記憶がある。

今回は前回の人海戦術は取らず、夏に買い揃えた散水装置の発動機型ポンプを利用した。小さなエンジンポンプでもくみ出す力は何人力だろう、あっという間に水をくみ出してしまった。水槽の底には泥混じりの水がまだ残っていたが、男性会員が5〜6人でブルーシートの端を横一列になって持ち上げ、シート全体を引っ張り出した。かなりの重さなので声をあわせながらシートをたくし上げた。

魚網をたくし上げる漁師さながら、息を合わせて徐々にシートを引き上げていく。


「われわれは農民だけど、今日は漁師みたいな仕事ですね」とは言いえて妙だった。


木枠からシートを完全に引き剥がした後はいよいよ木枠をはずす作業である。木ねじでがっしり打ち付けてあるので、蓄電式インパクトを使いねじをはずしていく。地下に埋まっていた側板を剥がすとき、ヤモリの一家が何事かとぞろぞろ這い出してきた。長年木枠とシートの間の隙間を住処にして暮らしてきたのだろう。

ヤモリを傷つけないようにやさしくつかまえて逃がしてやった。


解体してすべての部材を片付けると、大きな穴がポッカリと開いている。次の作業はこの穴に土を入れて埋め戻す作業だ。埋め戻す土は野菜くずや雑草を処分するための穴を掘ったときの残土を利用した。リヤカーと一輪車で何往復となく残土を運び、最終的には角材で土の表面を突き固めて、第1日目の作業は終了した。


第2日目の作業は翌週の火曜グループの男性全員で作業を進めた。

木枠のコンパネの両面に防腐剤を刷毛で塗り、木枠を角材で組み立て、最後にコンパネで底板、側板を貼り付ける。会員のU氏が発電機を持っていたので、電動のこぎりとともに拝借し、作業はかなりスピードアップできた。発電機は2011年3月の福島原発事故による計画停電を経験し、その教訓から購入したものだ。35人もの会員がいると多士済々で、いろいろ特技を持った人がいるので大いに助かっている。

結局、2日目の作業は底板と側板の一部を貼り付けた段階で時間切れになった。


第3日目の作業は土曜グループが残りの側板を張り、補強材を打ちつけ、塗り残した防腐剤の仕上げをした。そして今回初めて、いままで使用してきたブルーシートをやめて、厚手の特殊ゴムで出来た4m×5mのシートを内側に張ることにした。

この特殊ゴムは一般家庭の庭に小さめの池を作るときに使われるシートを流用した。ブルーシートのように張り合わせたものでなく一枚物なので、張りあわせ部分が水圧ではがれる心配もない。そして柔らかいゴム製なのでどんな形状でも水圧でぴったりとフィットするようになっている。ただし耐用年数は5年なので周期的に取り替える必要がある。


残った作業は木枠の周囲に鉛管を渡し水圧で側板が歪まないように補強し、冬の潅水期に大量の雨水が期待できないので、ある程度水道水を入れてゴムシートをフィットさせる予定である。また塗った防腐剤が落ち着くまでの何ヶ月間は金魚の引越しは当分お預けである。


最後に今回の雨水槽の大きさと、使用した材料とその価格を参考までに記しておく。

水槽の寸法  縦・横・高さ(900×2700×900)単位センチメートル


部材

(コンパネ900×1800を12枚)

12600円

(ゴムシート4m×5m1枚)

16400円

(防腐剤3缶)

5940円

(木ねじ1箱)

445円

(雨どいセット)

1565円

合計金額

36950円


上記に含まれない木枠・鉛管、刷毛などはすでにあったもので流用。作業に要した時間は1日の作業は2時間で延べ3日がかりだったので6時間強ですんだ。発動機型ポンプ、発電機と電動のこぎりを使用した関係で、大幅に作業時間が短縮できた。

耐用年数を5年と見積もれば年間7390円の支出となり、かなり安く出来上がったというのが実感。


クリックすると拡大されます。

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排水は発動機型ポンプで時間短縮

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同上

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1メートルの深さで取り壊し作業開始

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ヤモリの親が最後に現れた

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穴の埋め戻しと整地

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防腐剤塗り

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木枠の底部部分を最初に作り始める

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底部の強度を考えて2重に底板をはる

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次に側板を貼り付けていく

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全体的な枠組みの完成

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ガソリンで駆動する発電機

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電動のこぎりで作業が大幅にアップ

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仮に敷き詰めたゴムシート

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新居への引越予定の金魚たち



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メール:koji@ganbare-nougyoujin.org
ブログ:畑にそよぐ風(http://nougyoujin.blog.so-net.ne.jp/