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トコトコ農園通信

2014年2月20日 更新

大雪で餅つきが中止に!


2月8日(土)は「トコトコ農園」で初めての餅つきをおこなうため、準備を進めていた。

臼と杵、それと羽根釜形式の蒸し器を市から借りる手はずを整え、特に臼と杵は前日から臼に水を張りその中に杵を浸けておく。臼と杵にしっかり水分を吸わせておかないと打ち下ろした杵の衝撃で臼が割れてしまうのを防ぐためだ。

諸準備の担当を決め、細部にわたって手順を明文化したドキュメントを会員全員にネットで流し、万端整えて当日を迎えるはずだった。

が、しかし数日前から今度の土曜は記録的な大雪になるという予報が流れてきた。関東地方は前日の7日はポカポカ陽気で、到底天気予報は信じられないくらいだったが、西から崩れてきた天気は確かに大雪を降らしながら大きな雪雲の塊が東へと移動してきている。


最初の手順通り前日の7日の昼までに8日の天候を見極め、決行か中止を決めて、全員にメールで通知することにしていた。結果はご承知の通り、全国的な大雪に見舞われ、早々に中止を決めた。7日夜半から降り始めた雪はしんしんと積もり続け、朝目覚めるとあたり一面、近来にない大雪に見舞われ、見渡す限りの銀世界が広がっていた。

この大雪は関東では45年ぶりとかで、私が大学1年の期末試験当日に勝るとも劣らない大雪だったことを思い起こさせてくれた。


渋谷経由で東横線の「日吉」駅に着くと、改札口に「大雪のため本日の期末試験は延期」という看板が掲げられていた。なんで渋谷駅で延期の掲示を出してくれないんだと、大学の事務局を恨んだことを思い出した。

あの当時は携帯もパソコンもない時代で、情報は後手後手に回り、せめて電話で事務局に問い合わせるべきだったが、都内の交通機関が地下鉄を除いて、ほぼ全面的にストップするほどの大雪という情報が迅速に手に入らなかった。

Uターンして渋谷へ向かったが、その間にも雪は間断なく降り続け、渋谷到着がすでに大幅に遅れている。

案の定、山手線は走っておらず、帰宅のベストルートを思案したが、結論は地下鉄銀座線が動いている地点まで行って、そこからまたルートを考えようと決めて、地下に下りた。

幸い地下鉄銀座線は「浅草」の手前の「上野」まで走っているようなので、ほっと一息した。しかし、JRの上野駅前に出るとすでに時刻は6時近かった。「日吉」駅を出たのがちょうど昼頃だったので、上野まで約6時間かかった計算だ。

もしやと期待をしていた山手線はまだストップしたままで、運転再開のめどすら立っていない。自宅のある総武線、「亀戸」駅まではどうすればたどり着くのか、まさかのこの大雪で歩いて帰るのは到底無理だ。しばらく呆然として広場の真ん中で佇んでいたが、上野駅の情報によれば、東武鉄道がかろうじて動いているらしい。

しかし山手線の「上野」駅から東武鉄道の「浅草」駅までの足がない。銀座線が「上野」での折り返し運転ではなく、終点「浅草」まで走っていれば「浅草」から2つ目の「曳舟」で東武亀戸線に乗り換えれば難なく「亀戸」にたどり着く。


銀座線が「浅草」まで延長して運行するのを待つか、「上野」駅から徒歩で「浅草」まで出るか、なかなか判断がつかない。いや判断する情報が営団地下鉄当事者から出てこないので、自分で判断するしかなかったのだ。

結局、徒歩で「浅草」まで歩くと腹をくくった。駅前広場を横切ろうとして一歩踏み出した瞬間、膝下までずぶずぶと足がめり込んだ。そして降り積もった雪の底は水が溜まっていて、くるぶしから下は水浸し状態である。

めげそうになる気持ちを奮い立たせ、歩き始めたが靴の中は水浸しで、重いしはなはだ歩きづらい。地下鉄銀座線に沿って「稲荷町」、「田原町」の駅を横目に歩き続け、やっと「浅草」駅に着いた。たった二駅間の歩きだが1時間以上はかかっただろうか。

普段なら浅草寺目当ての観光客でにぎわっているはずの雷門近くでもやや薄暗く、店の多くも閉まっていていっそうみじめな気になる。

東武鉄道は間引き運転だったが比較的、待ち時間も少なく、スムーズに東武「亀戸」駅に着くことができた。


日本列島をすっぽり雪雲で覆った今回の大雪だったが3日後の11日(火)に作業のために畑に会員が集まってきた。公道から畑までのアプローチは分厚い雪で覆われている。

私は幸い昨年末にスタッドレスタイヤに履き替えていたのでハンドルも取られず、難なくたどり着いたが、後続のノーマルタイヤを履いた車は途中でタイヤが空回りして立ち往生している。

畑の状態は最悪だ。ビニールトンネルは雪の重さでぺちゃんこになっていて、参加者全員で雪を取り除いたが、トンネルを支える支柱の大半が無残に折れていた。

途中休憩を挟んで10数畝分の補修を終えることができた。本来、寒さには強いマメ科の絹さや、スナップエンドウも心なしか葉に元気がない。雪で光が遮られ続けてのが影響しているのかもしれない。

2月にこれだけの大雪は経験したことがなかった。過去には3月の後半か時に4月に入って水分の多い重い雪が降ることはあった。

しかし今回はさらに異常だったのは翌週末も前週以上の2週連続の大雪が降ったことだ。

山梨県甲府市は114cm、ひと山隔てた埼玉県秩父市は98cmだった。秩父の降雪量は1928年以来86年ぶりの記録的な大雪だった。

現時点(2月16日)での週間予報をみると19日、20日も雪の予報である。畑の作物は今のところ大きな被害は出ていないが、これだけの降雪量だと日射量と合わせて何らかの影響が出てくるかもしれない。

本質的に自然任せの農業だが特にここ数年の気象は人智が及ばないほど、気象変化に対応した栽培が難しくなってきているように感じる。

特に8月から始める秋冬野菜の準備が気温上昇でうまくいかず悩まされてきた。今回の雪の被害は春夏野菜の栽培に何らかの影響を及ぼすのではないかと危惧している。


農業はつくづく難しい、でもそれを克服するために知恵を絞るやりがいのある仕事でもある。


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メール:koji@ganbare-nougyoujin.org
ブログ:畑にそよぐ風(http://nougyoujin.blog.so-net.ne.jp/