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トコトコ農園通信

2014年8月5日 更新

実験農場、新たな野菜類にチャレンジ!

監事 大出 勇

トコトコ農園では、毎年40種類の野菜を栽培しています。これは、野菜類の種類と量の面で、まさに充分な内容と言えるでしょう。そんななかで今年度は、第二農園の一角に、珍しい野菜も含めて、新たな多くの野菜類が加わりました。賀茂なす、万願寺とうがらし、九条ねぎ等の京野菜類、山芋、ささげ、パプリカ、さらには、陸稲、大豆まで栽培するに至り、トコトコ農園のラインアップがより拡充され、新たなチャレンジが展開されています。


これは、第二農園の面積が大幅に増えたことに伴い、その一部を条件付きで会員に開放することとしたからです。3人以上の会員有志が集まり、「利用規定」に則って、新たな野菜作りを可能とした制度で、これを“実験農場”と位置づけ、取り組みがスタート。どのようなことになるのか未知数でしたが、作付け会議で出された希望意見を汲み取って制度化したものだけに、現時点で4グループが手を挙げて、それぞれの熱い思いで、新たな野菜作りへの挑戦が始まっています。


4つのグループの取り組み状況をご紹介します。


まずは「山芋クラブ」。所沢は江戸時代からサトイモ、サツマイモ等のイモ類の生産が盛んであったことから、同じイモ類の仲間で“高価値”の「山芋」栽培にチャレンジ。第二農園では麦も栽培していますので、この麦と山芋と一緒に「麦とろ」が食べたい、とのことでスタートしたとか。山芋の他には「ささげ」、「ニンニク」栽培にも挑戦、さらには作物の病虫害予防も兼ねて「ニラ」も栽培しています。山芋クラブでは、“畑は土壌作りが基本”をモットーに、有機堆肥作りにも力点を置いて取り組んでいます。山芋、ささげ等は順調に生育しています


二番目には、「ぱぴぷぺパプリカ」グループ。文字通り「パプリカ」一種類に絞り込んで挑戦しているグループです。ピーマンより肉厚で、甘みがあり、栄養価が高い夏の野菜「パプリカ」に着目。これを自分たちで栽培したい、そして暑い夏の食卓により多くの栄養と彩りを加えたい、との思いでスタート。「実験農場」にふさわしく、畝ごとに栽培方法を微妙に変え、その生育状況をチェックし、「パプリカ」栽培に関しての知見・ノウハウを蓄積しつつ取り組んでいます。既に、あの肉厚で色鮮やかな赤、黄色のパプリカが実って収穫され、喜びを分かち合っています。


三番目が、「京野菜」に挑戦している「粋京」グループ。京野菜はまさに日本の“伝統野菜”で、栽培や収穫に手間がかかるため農家が敬遠していることから高価でなかなか手に入りづらい状況にあり、加えて、これまであまり品種改良がされてこなかった面もあり、京野菜の栽培には知られざる奥深さがあります。この“難しい奥深さ”を探求したい、そして、収穫して食を楽しみたいとしてスタート。既に壬生菜、京水菜、賀茂なす、万願寺とうがらし、モロッコ、ケンタッキーは収穫され、グループ員以外の会員にも振舞われ、大好評でありました。今後はさらに、丹波黒大豆、聖護院だいこん等の栽培も計画されており、“京野菜作りの探求”は進展しています。


四番目は、「発酵ファーマーズ」グループ。文字通り、日本の重要な食文化である発酵食品を自分たちで作ってみたいとの熱い思いからスタート。その代表的なベース食材である「米(陸稲)」、「大豆」の栽培に挑戦しています。陸稲も大豆も順調に生育しており、今後が楽しみな状況にあります。とりわけ収穫後には、”米から生麹作りをして甘酒、塩麹作り、そして大豆からは味噌作り”、に取り組む方向で、その夢は広がっています。


実験農場の一畝は、幅2m、長さ21mで、各野菜は概ね1〜3畝を耕作しています。それぞれのグループでは、通常の作業日(火曜、土曜)の時間外、あるいは別の日に、栽培状況に応じて思い思いに作業をしています。いつでも自由に畑に来て、自分たちの目標とする野菜類をつくることができ、収穫したものは、原則としてグループのメンバーで配分することとしています。これは、グループ参加の「市民農園」に限りなく近いシステムと言えましょう。


実験農場でも、トコトコ農園の基本である「有機・無農薬」栽培は遵守されています。各グループは、少人数(3〜8名)で、作付け品種、栽培方法、収穫等の具体的な目標を絞り込んでいますので、さまざまな栽培実験をトライアルすることにより問題意識が高まり、より“達成感”を感じつつ取り組んでいます。各グループ員は、従来の「協同耕作・均等配分」方式の集団的な「体験農園」に加え、グループの裁量が認められる「市民農園」に似た“農園ライフ”も同時に楽しんでいます。


「トコトコ農園」としても、実験農場によって栽培技術のレベルアップが期待でき、さらには栽培品種も増加して知見・ノウハウが向上するなど、少なからぬ“相乗効果”が現われつつあります。また実験農場では、既に多く野菜類が収穫されていますが、時には、グループ員以外の会員にも“収穫物のお裾分け”があり、新たな食材の味覚と彩りを楽しませていただいています。有り難いことです。


このように、まずは順調にスタートした「実験農場」。今後どのような品種、栽培方法にチャレンジして進化していくのでしょうか。「トコトコ農園」の可能性は膨らみます。また一方では、園主や近隣農家への感謝の念とその共存共栄、かつ実験農場に参加していない会員との相互理解等は基本的なテーマであります。実験農場がさらに進化していくためには、各グループ目標とその実現に向けた熱い思いとともに、このテーマ実現が、不可欠なことでありましょう。順調にスタートした「実験農場」、みんなで見守りつつ、育てていきたいものです。


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山芋クラブの山芋畝は順調に生育中

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7月下旬にパプリカの初収穫、80個も採れました

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賀茂なすの大きさに思わずニッコリ

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トコトコ農園の畑に陸稲が登場、今までと一味違う景色です



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「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
メール:support@ganbare-nougyoujin.org