今年の春から参加させていただいています。まだ日が浅く、トコトコ農園での活動について語れるものはなにもありませんが、自己紹介かたがた、私がトコトコ農園入会に至った理由など、とりとめもなく書いてみたいと思います。
私は今56歳。最近、多少時間的、精神的な余裕ができてきて、人生を振り返りつつ老後は何をしようかと考えている時、若いころに関わっていた農業なんていいんじゃないだろうか、と思い至りました。そして、ではどういう形で農業に関わろうか、と考え始めました。ベランダ菜園? 区民農園を借りる? 農業研修を受ける? あるいは、農業法人なんて作れる? などなど。
しかし、多少時間的余裕ができたからといって、今の仕事から離れるのは当分無理。区民農園を借りても途中で挫折しそう。では、まずは週末に農業研修でも受けてみようか、とインターネットでいろいろ検索していた時に目に留まったのが、トコトコ農園でした。
土曜日の午前中だけで手軽そうだし、所沢なら板橋区の自宅からでも通える距離だし、ということで、見学に参加させていただきました。皆さん、良い方ばかりで、アットホームな雰囲気がとても気に入り、入会させていただくことにしました。
ちなみに、若い頃どう農業に関わっていたか、というと、農機メーカーKでトラクターの製品開発をやっていました。設計部門ではなく実験部門に所属していたので、在籍した8年間でトラクターの運転を数百時間はやったでしょうか。
ロータリーの耕うん作業はもちろんのこと、日本全国で様々なアタッチメントを付けての作業もやりました。地域によって、作業によって車体にかかる負荷が異なるため、実際に使われる地域、作業での試験を行う必要があるのです。北海道で牧草作業、青森で長芋掘り作業、群馬で牛糞撒きやプラウ作業(*)、長野で除雪作業などなど。
(*) 非常に固かったり、雑草が多くてロータリーでは耕うんしきれないような荒地の耕起作業のこと。
トラクターを組み立てたり、分解したりした回数も数えきれません。
しかしながら、農業機械の知識、(農)作業の経験はあっても、植物を育てる農業そのものの知識、経験が全くないのです。この欠落感が、今農業をやってみたいという気持ちの源泉かもしれません。トコトコ農園に参加することで「農業機械人」ではなく「農業人」になりたいと思っています。
当時は、田んぼや畑には頻繁に行っていましたが、鍬や鎌ではなく、スパナやハンマーを持って走り回っていました。ですので、鍬を持つのは今回生まれて初めて。おかしな鍬さばきに温かいお叱りを受けながら、見よう見まねでやっているうちに半年が過ぎ、最近は多少農作業にも慣れてきたかな、という感じです。
私は自分なりにチャレンジ精神を持って人生を送ってきたと思っています。いわゆる転職という形を経験したことはないのですが、農機開発の仕事以降、3度の転機を経て今に至っています。転機はすべて自分で求めたチャレンジでしたが、不安や怖さを感じる大きな変化でした。
そういった時に自分の気持ちを鼓舞するため聴いていた曲に「Walk on the wild side」(ワイルドサイドを歩け)というのがあります。多少危険でもやりたいことをやる人生を歩め。私の世代以上の方の中にはご存じの方もおられると思いますが、Lou Reed (ルーリード) が歌うロックです。
歌詞はどうでもいい内容ですが、このタイトルに惹かれてよく口ずさんでいました。今でも聴いていますが、最近は年をとったせいであまりこのタイトルが合わなくなってきました。普段は都会の生活にどっぷり浸かっていますが、週末トコトコ農園で自然の中に身を置いていると私の頭の中でその曲が「替え歌」の形で鳴りはじめます。
Walk on the nature side♪~ 都会でなく自然の中で生きていこう、あるいは自然体で生きていこう、といった感じでしょうか。これまでは "on the wild side" の気持ちでやってきましたが、これからは "on the nature side" が私の今の心境にピッタリ合います。トコトコでの農作業中、私はそのサビを口ずさんでいるかもしれません。
Doo doo doo doo doo doo doo doo doo…♪.
小学生、中学生の時はボーイスカウト、大学ではワンゲル部に所属してきた私にとって自然の中に身を置く時間は無くてはならないものです。子供が大きくなってからはそういう機会がめっきり減っていました。今その機会を提供していただいているトコトコ農園とその運営をされている理事の皆様、そして楽しい時間を共有いただいている仲間の皆様に心より感謝申し上げます。
今回は自己紹介でしたが、次回はもう少し農業について語れるようになっていたいなと思っています。
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