丸山: 次は、いよいよ最後のアフリカ大陸ですね。
水島: はい、そうです。2007年2月13日にアフリカ最南端のアグラス岬を出発し、7月25日にエジプト・ギザのピラミッドそして地中海に面したアレキサンドリアに至る175日間の旅でした。
丸山: アフリカは危険なところではないのですか?
水島: 旅立つ前は人様から危険なところとの話を聞き、慎重な日程でと思って大陸に渡りましたが、首都などの街では“そうかもしれない”との局面に出会うこともありましたが、大半はものすごく親切で、こちらが“助けて”と言う前に一生懸命になって汗水たらして手を貸してくれ、難局を乗り切るまで手助けしてもらえました。
丸山:ということはアフリカでも危ない目に遭われたのですね。何かお聞かせいただけますか?
水島: はい。スーダンからエジプトに向かった時です。スーダンでは役人の手違いで1ヶ月申請した滞在ビザが実際には1週間しかありませんでした。スーダン入国時にこれが判明し、私たちは旅を急いでいましたが、首都ハルツームを出てすぐに豪雨に遭いました。オートバイが流され、泥がタイヤとフェンダーの間にぎっしり詰まって、動けなくなってしまったんです。このとき、現地の方々に助けられ、何とかヌビア砂漠を突破、ナイル川を小舟に乗って、船の中でエジプトのビザを取り、エジプトとの国境に向かいました。ここでも現地の方々に助けられました。
丸山: 危険な目に遭ったり、思わぬ困難にあったりしても、そのひとつひとつが現地の方々との触れ合いに繋がっていることもあるのですね。
水島: そうですね。動けなくなったときは“もう日本に戻れない”と本気で思いましたが、雄大なナイル川を下ったときには感激に浸ることができました。それはそれは、感謝と感激、そして考えさせられる旅でもありました。
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丸山: 5大陸を走破し、こうしてオートバイによる旅は終わったのですね。
水島: 実際には、この後も、北欧一周行、オーストラリア一周行(2回目)をしました。北欧一周行については、5大陸行の一環として行ったものです。そのときのお話も是非聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
「北欧の旅」の足跡
丸山: 是非、お願いいたします。
水島: この旅で私には2つの思いがありました。1つは、極北に住む人々の生活を見てみたい、大陸最北端の岬に立ってみたい、夜でも太陽が輝いているというのはどのようなものなのか、是非知りたい、というものでした。
バルト海やボスニア湾を取り巻く国々を周り、厳しい自然の中で豊かな生活を送られているのを目の当たりにして、大陸最北端ノールカップ岬に立って、真夜中なのに太陽が空にあるのを目にして、感動と感激の日々を過ごしました。全行程88日間のうち、北極圏には結局15日間滞在しました。
丸山: 1つ目の思いは十分に達成できたということですね。ところで、もう1つの思いというのはどんなものだったんですか?
水島: それはアウシュヴィッツ収容所の訪問です。アウシュヴィッツに行き、悲惨な戦争の現場だったところを目の当たりにしたいという思いがありました。
アウシュヴィッツはポーランドの南端にあります。私たちはプラハからアウシュヴィッツに向かいましたが、途中で道に迷い、田舎道を抜けながら大苦戦の末に到着しました。悲惨な現場の様子を写した写真、山と積まれた頭髪などの現物を目の当たりにして、“これは人類の愚行以外の何物でもない”と、涙が止まりませんでした。
丸山: ユネスコでは、二度と同じような過ちが起こらないようにとの願いを込めて、世界遺産に登録しているんですよね。人類の最たる負の世界遺産なんでしょうね。
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大陸最北端ノールカップ岬到着
0時45分 <北緯71度10分21秒>
沈まぬ太陽に感激!!
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