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トコトコ農園通信

2016年7月20日

白州に暮らして

元会員・忠 喜美江

25年間暮らした所沢を離れ、南アルプス甲斐駒ケ岳山麓の北杜市白州町に昨年晩秋移住して9ヶ月が過ぎようとしています。

昨年突然田舎暮らし物件を探し始めた主人と共に丁度一年前の今頃、工房として使える別棟のある八ヶ岳南麓の物件を下見に行きました。その結果同じ北杜市内の南アルプス甲斐駒ケ岳山麓の里山の田園風景が広がる白州が気にいってしまい半月後には移住が決まりました。


私たちの住まいとなった築29年のログハウスは直径35cmの太いダグラスファー(ファーといっても樅(もみ)の木ではないようで、日本では米松と呼ばれますが松でもないようです)で出来ています。

頑丈なログハウスとは言え29年間あまり手入れされていなかったため、信州に住む弟が泊まり込みで大改修工事を行ってくれました。屋根をガルバニウム鋼板で修復し、ログ壁は全てサンダーで削り落とし再塗装、数年前の大雪で腐食が進んだデッキの修復等長期の工事のとなり足場が撤去されたのは5月末、全ての(一期)工事が終わったのは6月末でした。


地元で育った方に伺うと私たちの家のある場所はこの家が建築されるまでは山林だったそうです。菜園予定にした雑草だらけの部分に花壇を作るべく、土を耕し始めて最初の難関に直面! 雑草を抜いて整地して簡単に考え耕し始めた雑草の下は一面蔦と根っこが張り巡らされていました。

鍬、シャベルでは太刀打ちできないことが直ぐ分かり、金物店にツルハシを買いに走り、掘り起こし作業を始めました。蔦と根っこの下は大小の石がごろごろあり、拳大の石は序の口で大きなものは40cm大以上でした。石を掘り起こして次のエリアにツルハシを振り下ろすとカチーンと次の石が待っています。

しかし八ヶ岳在住のある有名な方の本を読んでいたら、『山で暮らそうとおもったら山に敬意を払って、まずは重機の力を借りず自分の手で作業すべし』という言葉に勇気づけられ頑張っています。

最初は大変だったススキの根っこの掘り起こしも石の発掘も慣れて来ると腕があがり、制覇する快感さえ覚えるようになりました。3年後の姿をイメージしながら毎日庭に出ています。


最初に作ったのは半日陰のガーデンコーナーです。

これだけの石が出て来ると自ずとロックガーデンになります。

白州はその名の通り、川が作った典型的な扇状地です。出て来る石は花崗岩が多く、土地は砂地で水はけは抜群に良い土地です。

昨年末野積みした落ち葉はまだ腐葉土化していなかったので、腐葉土と牛糞堆肥を漉き込みました。牛糞堆肥は甲州ワインビーフの牧場で作っている甲州ワインビーフ堆肥なるものを見つけ使ってみました。


石で枠組みを作り、ガーデニング雑誌で良く見かける庭の小径のスペースを作りました。小径に沿ってラベンダーとタイムを植え、ハーブガーデン風に,ハーブガーデンを挟んで向こう側にミニ菜園スペース、更に小径を挟んで果樹スペースと広げてみました。

菜園には初心者の私が1人で管理できそうなトコトコで経験済みのミニトマト、大葉、モロヘイヤ、万願寺唐辛子、伏見甘唐辛子、鷹の爪、バジル、ルッコラなどを植え、果樹スペースには寒冷地用のノーザンハイブッシュ系のブルーベリー、いただいたプラムの苗を植えました。

1人では追いつかない雑草取りの負担を軽減するために落ち葉堆肥と放置されていた杉の木2本を玉切りにして薪を作った際にでた杉の皮をマルチングとして使用しました。


菜園と果樹は噂に聞いていた猿の被害を受ける不安がありましたが、まずは様子見と思っていました。どれも順調に成育し、見事なツヤツヤの青トマトが育ち始め幾つかは赤く色づいてきました。ブルーベリーも花付の苗を植えたので、大粒の実を付けていました。こちらは猿に取られる前にその場で熟したものから食べることにしました。

山に食物が豊富にあるのか猿の群れは暖かくなってからは来訪がほとんどなかったので安心していた頃、ウォーキングから帰る途中猿の鳴き声が聞こえ、焦って菜園に走ると、ツヤツヤトマトは赤い実だけでなく青い実も無惨にも取られ、青トマトは吐き捨ててありました。大粒の実がついていた方の早生のブルーベリーは一粒残らず取られていました。数日前に数頭の猿が庭にいて、追い払ったのが偵察隊だった様です。今後は菜園を続けるには猿対策が必至となります。


下に住む多摩市から移住されて6年になる方も猿害を経験していて、お孫さんたちの為にと始めた菜園には当初は囲いもせず作っていたそうですが、赤く色づいて来て明日採って食べようと言っていた翌朝全て猿に食べられたそうです。その後ネットなどを設置しても被害は減らず、そこに作物があると覚えた猿たちが定期的にやってくるようになったそうです。そこで、道路舗装用に使う鉄のワイヤメッシュで大きな檻のような囲いを作り、その中で作物を作っているとのことです。


私が経験したのは猿の被害ですが、山の麓には様々な動物が住んでいます。

農業被害を起こすのは鹿、イノシシ、猿が3大害獣ということになります。鹿は夜間サントリー白州工場方面の甲斐駒広域農道沿いで見かけたことがありますがこの近辺ではまだ目撃していません。もう少し上の山に近い方ではイノシシも出没するらしいです。農産物の出荷をしている農家の方たちには本当に深刻な問題です。


山里に暮らしてみると過疎による人口減少、高齢者だけの住まいの多さ、後継者不在で空き家となった家(山梨県の空き家率は全国1位だそうです)など身じかな問題であることを感じます。健康を維持し、自然の恵みの多いこの土地での生活を長く楽しみたいと思っています。


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ガーデンを作り始めた当初

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掘り出した石で区画作り

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小径を作り、形が出来てきました

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続いて菜園区画作り ここでは巨大な石と根っこが出没

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ミニ菜園もなんとなく形になってきました

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ツヤツヤのミニトマトが色づき始めましたが。。。

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庭のいたる所にカエルがいます

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白州米の水田風景

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新たなガーデンスペース作り開始

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長かった足場生活もようやく終りました

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一段落した家です。まだまだやること満載です。

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トコトコのお友だちと一緒に記念撮影



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「トコトコ農園」は安全でおいしい野菜作りを楽しむことを目標にしています。
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メール:support@ganbare-nougyoujin.org